一昨年、惜しまれつつ他界した映画監督トニー・スコット。
私、トニースコットの映像スタイルがとても好きです。
兄、リドリー・スコットも大好きな映画監督ですが、どちらかというとトニースコットの方が、より娯楽色が強い作品を作っていますね。
せわしなくカメラが動き、短いカットをつないでいくミュージックビデオのような演出は、往々にして映画評論家からの評価が低くなる傾向にあるかと思いますが、好きなものは好きなんです(笑)
前置きが長くなりましたが、
トニー・スコット監督作品の映画「デジャヴ」わたし的にはこの作品がトニースコット作品の中でも一番好きです。
そのなかでもこの映画のオープニングシーンにはとっても衝撃を受けました。予告編では、ミステリー風な編集がされていますが、基本的にはアクション(軽くSF)娯楽大作です。
トニースコットは、カメラがせわしなく動き、やや大仰ともいえる演出を好みますが、この映画ではその演出も適度に施され、しかも映画の世界観に非常にマッチしているのです。
オープニング、ニューオリンズに寄港した海軍の兵士たちやその家族がフェリーに乗り込むシーンから始まります。スローモーションやダイナミックな空撮が巧みに織り交ぜられ、非常に美しいモンタージュ映像になっています。
カメラが急速にパンして画面にブラーがかかったところで映像が止まり、「Tony Scott」とタイトルが出た時にはニヤリとさせられます。
この先ややネタバレになりますが、楽しげな映像であるにもかかわらず、女の子が持っていた人形を海に落としてしまうカットやバイクに乗った橋の上の不審者など、徐々に「なんとなく不安な感じ」の演出がなされます。
フェリーが出航し、ブラスバンドが「聖者の行進」を演奏。フェリーの駐車場を巡回していた警備担当者が不審者を発見。カーラジオからビーチボーイズの「Don't worry baby」が流れます。
この曲をバックにバンドが演奏し、フェリーの平和な風景が映し出される。特に、海上の光の反射をバックに家族が笑いあうシーンは非常に美しく撮影されています。
そして、再び駐車場の不審者のシーン。警備担当者が中を覗くと明らかに「爆発物」と思われるものが・・・
その瞬間!!フェリーからは巨大な炎が吹き出し、それまでの美しき日常が一気に崩壊します。この爆破シーンは複数の固定カメラや空撮でダイナミックに撮影され、かなりショッキングかつ衝撃的に描かれます。
しかも、このフェリー爆破までのシーケンスがクライマックスシーンの伏線になっていて、最後のシーンを盛り上げる効果を果たしているのが素晴らしいところなのです。
このオープニングシーンの美しさと衝撃は、素晴らしいです。ストーリーはハリウッド的御都合主義があるものの、それでもやっぱりハラハラドキドキ。
デンゼルワシントンとポーラパットンの純愛も自分的には結構グッときました。ミッションインポッシブル・ゴーストプロトコルで強さを見せたポーラパットンですが、この映画ではかなり可愛らしい印象で登場しているのも魅力です。
posted by DY Duke at 17:40|
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